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理事長あいさつ |
理事長 本郷一夫
日本発達支援学会(The Japanese Association of Development Support)は、日常生活の文脈の中で人を理解し、人の発達を支援することを通して、人と人との関係を基盤として豊かな発達を実現することを目指した学会です。
そのような目的に沿って、日本発達支援学会では、次の4つの視点を重視しています。
第1に、「人の発達は日常の生活の文脈の中で起こる」という視点です。知能検査などのいわゆるフォーマル・アセスメントも重要な情報を提供すると思いますが、架空の状況に対する人の反応だけに頼って人を理解するのではなく、日常生活の中での行動を通して人を理解することが重要だと考えます。
第2に、「発達支援は支援を求める人と支援を行う人との関係の中で起こる」という視点です。人との関係と無関係な支援があるわけではなく、また人の能力と無関係な支援があるわけでもないと思います。その点、個体能力論と関係論といった二分法的理解ではなく、支援は常に「支援する人」と「支援される人」との関係と能力に依存して起こると理解することが重要だと考えます。
第3に、「発達支援は時間の中で変化する人と人との関係の個性記述的な性格をもつ」という視点です。発達支援は、固定的な支援目標のもとに機械的に行われる行為ではなく、個人の行動の変化や個人間の関係の変化に基づき、支援目標や支援方法を変化させながら継続的に行う行為だと理解することが重要だと考えます。
第4に、「研究の一般化は、1つの研究によって達成されるわけではなく、多くの実践的研究の蓄積を通して達成される」という視点です。これは、第3の視点と関連します。支援が個性記述的な性格をもつとしても、研究の成果が蓄積され、支援方法の適用と限界が明らかにされることによって、特定の個人間の関係を超えた支援方法の適用が可能になると理解することが重要だと考えます。
最後になりますが、最も重要なことは、支援を求める人の視点に立った発達支援を確立することです。そのような点から、日本発達支援学会では、心理学、教育学、保育学、障害学、医学、保健学、福祉学など様々な分野の研究者や実践者が集まり、今までにはない新たな発達支援の方法論と方法の開発を積極的に目指したいと考えています。
より充実した発達支援を目指している方々と一緒に新たな方向を目指す学会を作っていきたいと思います。
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